仮想通貨の保管方法

仮想通貨の基礎知識

仮想通貨の取引では仮想通貨取引所の取引用の場所に保有する全額を置いておく、というやり方はお勧めできません。
普段の生活でも、買い物に行くときに全財産を持って出かけませんよね。
財布に必要な生活費だけ入れて利用したり、買い物用のカードやスマホアプリに必要な金額だけチャージする事が一般的でしょう。
クレジットカードを使う場合でも、限度額はありますし、そもそも紐づいている銀行口座に全財産が預金されている人はいないはずです。

仮想通貨でも事情は同じです。
取引所には普段の取引に使う分だけ置いておき、長期保有する分は別のところに保管します。
この「別のところ」をウォレットと呼びます。
(厳密には仮想通貨自身ではなく、仮想通貨を管理するための秘密鍵を保管します。秘密鍵が無ければ、他人は誰もあなたの仮想通貨を勝手に送金したりできません)

仮想通貨の保管にはいくつかの方法があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
以下にご紹介しましょう。

ハードウェアウォレット

見た目はUSBメモリーのような姿で、実際パソコンのUSBに差して使用します。
このため、スマートフォンで利用できない事が一般的です。
機器から外せば、ネットから物理的に切り離されますので、安全性は非常に高いと言えるでしょう。

利用方法:

  • ハードウェアウォレットを購入します。
  • 公式のウェブサイトやアプリを利用して初期設定を行います。
  • 仮想通貨をハードウェアウォレットに送ります。

メリット:

  • 保管時はネットに繋がっていないため、セキュリティが非常に高い。
  • 自身でプライベートキーをコントロールできる。

デメリット:

  • 初期設定が必要なため初心者には扱いが難しいかもしれません。
  • 価格が比較的高い。
  • 物理的な機器で小さいため、紛失や破損、故障や盗難のリスクがあります。

初心者向けアドバイス:

  • 初期設定や操作の手順を間違えると資産を失うリスクがありますので、公式のガイドをよく読み、慎重に進めてください。
  • プライベートキーやリカバリフレーズは紙に書き留め、二つ以上の安全な場所に保管してください。
    これらは故障した際に仮想通貨へのアクセスを復旧するのに必要です。
  • 安価だからと中古を購入したり、便利だからと「初期設定済」のハードウェアウォレットを利用してはいけません。
    不正なマルウェアやウイルスが仕込まれていて、仮想通貨が盗まれる危険があります。
  • ハードウェアウォレットといえども、パソコンに差している時はネットに繋がっています。
    パソコンが仮想通貨を狙ったウイルスに感染していたりすると、仮想通貨を奪われる危険があります。
    パソコン自体のセキュリティを確保し、ハードウェアウォレットを利用する頻度も、むやみに増やさない事が大切です。毎日ずっと差しっぱなしなんてのは論外です。

ソフトウェアウォレット

仮想通貨の秘密鍵はコンピューターのデータですので、ソフトウエアでも保管できます。

利用方法:

  • アプリやソフトウェアをダウンロードします。
  • ウォレットを作成し、セキュリティ情報(パスワードなど)を設定します。
  • 仮想通貨をウォレットのアドレスに送ります。

メリット:

  • 利用が比較的簡単。
  • 無料で利用できる。

デメリット:

  • オンラインであるため、ハッキングのリスクがあります。

初心者向けアドバイス:

  • パスワードやリカバリフレーズを安全な場所に保管してください。
  • 二段階認証を設定してセキュリティを高めることをお勧めします。

仮想通貨取引所のウォレット

仮想通貨取引所の中には取引用とは別にウォレットを用意している所があります。
手軽に利用できる、リアルなお金で言えば自宅の金庫のような使い勝手になるでしょう。

利用方法:

  • 取引所にアカウントを作成します。
  • 取引所のウォレットアドレスに仮想通貨を送ります。

メリット:

  • 利用が簡単。判らない事があれば、取引所に問い合わせできます。
  • 取引所で直接トレードが可能。

デメリット:

  • 取引所がハッキングされると資産を失う可能性があります。

初心者向けアドバイス:

  • 信頼できる取引所を選ぶことが重要です。
  • 資産の一部だけを取引所に保管し、大部分はプライベートウォレット(ハードウェアウォレットやソフトウェアウォレット)に保管する「分散保管」を行うと良いでしょう。

仮想通貨取引所のコールドウォレット

仮想通貨取引所の用意しているウォレットの中にはコールドウォレットと呼ばれるタイプがあります。
こちらは通常の仮想通貨取引所のウォレットよりセキュリティが高いサービスになります。
なお、どちらのタイプかを選べることは少なく、例えばDMM Bitcoinでは内部的に95%以上がコールドウォレットになっているとされています。

利用方法:

  • 取引所にアカウントを作成します。
  • 取引所のウォレットに仮想通貨を送ります。

メリット:

  • 取引所だけで完結しています。何かあった時の問い合わせ先がはっきりしているのはメリットです。

デメリット:

  • ウォレットの移動はオンラインでは完結せず、まずは申請する所から始まります。
    申請を受けた取引所で厳重なチェック(機械的なチェックではなく、複数の人間が不正が無いかをチェックする所もあります)を経て、初めて移動が行われます。このため、急いでいる時には向きません

初心者向けアドバイス:

  • 信頼できる取引所を選ぶことが重要です。
  • 取引所のウォレットですが、日常的に出し入れするものでは無く、あくまで保管を主目的としていると考えましょう。
  • 出金などは普段取引に使用しているパソコンで、普段利用している時間帯に申請しましょう。突然思い付きでいつもと違う環境・時間帯に申請すると、不正を疑われて却下される可能性もあります。

仮想通貨は変動が激しいと言われています。下がる事もあれば上がる事もあります。それこそ仮想通貨の暴落に備える対策が必須な投資です。
短期的な変動に右往左往せず長期保有する場合はもちろんのこと、価値の変動に合わせて短期取引をメインにする場合だったとしても、ウォレットの重要性は変わりませんので、よく考えて導入しましょう。

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